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糖尿病

糖尿病について

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糖尿病は血糖値が高い(目安として140mg/dl程度以上)状態が慢性的に続いている場合、診断される病気です。糖尿病を放置していると、動脈硬化などが引き起こされ、全身の大小の血管が障害されてしまいます。たとえば脳の血管で障害が起こると、脳出血や脳梗塞などの脳血管障害を発症します。命に関わることに加え、運動機能に障害が出たり、認知症の原因になったりもし、生活の質を大きく落とすことにつながります。

糖尿病は大きく、遺伝的要因やウイルス感染などによる自己免疫疾患などが原因で、膵臓からほとんどインスリンが分泌しなくなることで発症する「1型糖尿病」と、運動不足、過食などの生活習慣の積み重ねが主な発症の原因と考えられている「2型糖尿病」の二つに分けられています。日本では糖尿の方の95%以上が、この「2型糖尿病」で、日本全体では6人に1人程度の割合で、2型糖尿病、あるいはその疑いがあるとされています。

飲食物から摂取した栄養は、ブドウ糖となり、細胞が活動するためのエネルギーとして、血液によって全身には運ばれます。このブドウ糖が細胞に取り込まれる際に重要な働きをするのがインスリンというホルモンです。血液中の糖を感知すると、膵臓がこのインスリンを分泌し、余分なブドウ糖をグリコーゲンや脂肪に変換して、エネルギー源として蓄えられるようにします。

このインスリンの分泌量が少なかったり、働きが悪かったりすると、変換されないブドウ糖が血液中にあふれることになります。すると高血糖の状態が続き、タンパク質が糖化するなどして、血管の壁にダメージを与え、血管の内側に炎症が発生しやすくなります。そこにコレステロールなどの脂質がくっつくなどして、血管の狭窄や動脈硬化が引き起こされ、脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)や、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)などの合併症の原因となるのです。

糖尿病による血管障害は、動脈のような大血管だけではなく、微細な血管にも起こるのが特徴で、それによって引き起こされる以下の疾病は、糖尿病の3大合併症と呼ばれています。

糖尿病3大合併症

糖尿病網膜症
目の網膜を走行する血管に障害が生じ、酸素や栄養を十分に運べず、網膜がダメージを受け、放置していると失明する危険性も高いものです。
糖尿病腎症
腎臓機能に障害が生じ、余分な水分や老廃物を体外に排出できず、重症化すると人工透析が必要になります。糖尿病の患者様の約4割が発症しているといわれています。
糖尿病神経障害
高血糖による神経細胞の変化や、動脈硬化による神経細胞への血流が滞ることで神経が障害され、皮膚感覚や胃腸運動、心臓、四肢、顔面等の全身に異常をきたしてしまいます。傷が治りにくくなるなどし、足の潰瘍や壊疽といった合併症も起きやすくなって、最悪の場合、下肢切断や、全身性の感染症などを合併し、命に関わる場合もあります。

生活習慣病の一つに数えられている2型糖尿病において、インスリンの働きに問題が生じる原因としては、遺伝的要因も考えられていますが、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足による肥満、さらにストレスや喫煙などの生活習慣が関わっていると考えられています。

肥満、特に内臓脂肪型肥満では「インスリン抵抗性」が高まり、インスリンが働きにくくなって血糖値が上昇することがわかっています。また、喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があり、さらに脳梗塞や心筋梗塞・糖尿病性腎症などの合併症のリスクが高まることがわかっています。

またストレスがかかると、ストレスホルモンと呼ばれているカテコラミンとコルチゾールの分泌がふえます。どちらもインスリンの働きを低下させたり、ブドウ糖を盛んに作らせたりする働きがあり、その結果、血糖値が上昇し、糖尿病の原因となります。

糖尿病の治療

「1型糖尿病」である場合は、インスリンが分泌されなくなってしまっているため、インスリン自己注射による治療が必要になります。「2型糖尿病」では、血糖値を下げ、同時にインスリンの働きを高めていくため、食習慣や運動習慣などの、生活習慣の改善が治療の第一歩となります。

食べ過ぎ、飲み過ぎによる糖質の過剰摂取や、間食、夜食などは、血糖値を高める原因となります。同時に、そういったことで引き起こされる肥満、特に内臓脂肪型肥満になると、インスリンが働きにくくなる「インスリン抵抗性」が高まることがわかっています。するとブドウ糖が取り込まれずに血液中にあふれ、血糖値が上がりやすくなりますので、まず、食習慣を改善することが大切です。

肥満とは逆に、筋肉体質では、インスリンの作用が高まる傾向にあり、それにより血糖値は下がりやすくなります。食習慣の改善に加えて運動習慣の見直しも行うことが、糖尿病の治療および予防には有効です。ウォーキングや体操、筋肉トレーニングなどの運動を、できる範囲で取り入れて、インスリンの働きを高めるようにしましょう。

既に動脈硬化による脳疾患や心疾患の合併症、また「糖尿病三大合併症」などが発症している、または発症のリスクが高いと判断した場合は、経口血糖降下薬等の薬物療法を行います。それでもインスリンが働かず、血糖値が下がらない場合、「1型糖尿病」と同様に「2型糖尿病」でも、インスリン自己注射を行うことになります。

食習慣や運動習慣の改善は、患者様の重症度、また年齢やそのほかの疾患などのお体の状況により、一人一人、慎重に行っていく必要があります。当クリニックでは、まず血糖値が高めの患者様に対する、それぞれに合わせた生活習慣改善をサポートし、糖尿病を予防していくとともに、すでに糖尿病と診断された患者様に対しては、重篤な合併症を引き起こさないための治療を行っていきます。健診などで血糖値に関し、何らかの指摘をされましたら、お早めにご受診ください。

院長
成川 真也
診療内容
脳神経内科 内科
電話
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所在地
〒350-1101
埼玉県川越市大字的場1215-3
アクセス
的場駅 徒歩4分
診療時間
休診日:火曜日午後・土曜日午後・日曜日祝日
日祝
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